発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009138568
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過去6年間に、血友病性膝関節症に対する人工膝関節全置換術(TKA)を行った患者5例5膝(手術時平均年齢41歳)を対象に、手術成績について検討を行った。対象は血友病Aで、HIV、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染を合併していた。周術期は第VIII因子製剤の持続投与を行い、第VIII因子活性100%を維持した。手術はparapatellarが4膝で、その内、展開困難であった3膝はquadriceps snipを追加し、1膝はmidvastusであった。手術時間及び入院日数は通常のTKA例より長かったが、出血量は同等であった。また、術後JOAスコアは改善したが、屈曲、ROMは改善を認めなかった。以上より、血友病性膝関節症に対するTKAは、第VIII因子製剤による止血管理により通常のTKAと同等の手術ができ、ADLの向上に有効であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009