発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009099222
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64歳男。主訴は右大腿部痛であった。右大腿骨開放骨折に対し髄内釘を用いた観血的骨接合術+自家骨移植術の既往歴があり骨癒合が得られ社会復帰していたが、11年後に骨内類表皮嚢胞腫を発症し病巣掻爬術および人工骨移植術を施行した。再手術7ヵ月後に右大腿を捻った際症状が出現し、血液検査でCRP軽度上昇と扁平上皮癌関連抗原値の上昇を認めた。単純X線像では右大腿骨遠位部に病的骨折と骨融解像を認め、MRIでは大腿骨内から周囲にT1強調像で等~低信号・T2強調像で不均一な輝度変化を認めた。切開生検術により大腿骨骨内類表皮嚢胞腫の再発およびそれに伴う病的骨折と診断し、手術により大腿骨および周囲の病変を筋肉で包むように一塊に切除し、腫瘍用Kotz型人工膝関節を用いた再建術を施行した。術後4ヵ月現在一本杖で歩行し再発を認めていないが、今後注意深い観察が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009