発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009037665
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
術後早期運動療法を行った橈骨遠位骨折60例に対する掌側ロッキングプレート固定のプレート位置およびロッキングピン刺入位置と術後矯正損失の関係を検討した。その結果、術後UVが2mm以上矯正損失を来した症例は13例(21.7%)に認められた。プレート設置およびロッキングピン刺入位置と術後矯正損失には有意な相関関係が示されなかった。術後矯正損失群は非矯正損失群と比べ、受傷時粉砕骨折の割合が有意に高く、受傷時BMD値が有意に低かった。また、最終評価時の手関節尺側部痛の割合が有意に高かった。骨密度に着目して症例を3群間に分け検討したが、術後臨床成績は50歳以上の骨粗鬆群、50歳以上の非骨粗鬆群、50歳未満の若年群で有意差なく良好であった。尚、50歳以上の骨粗鬆群が他の2群と比べ有意差を認めたのは、受傷時のRI値、VT値のみであった。以上より、掌側ロッキングプレートを用いた早期運動療法は骨粗鬆症例でも臨床的に有用であることが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2008