発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008236073
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62歳男。狩猟中に友人が誤射した銃弾を左下腿に受け救急搬送された。左下腿内外側に複数の挫滅創を認めた。左足関節・足趾の自動運動は可能であった。左下腿X線で腓骨の開放性粉砕骨折を認め、下腿中央腓腹部を中心に径数mmの散弾が100個以上存在した。血管造影では明らかな造影剤の漏出は認めなかった。受傷当日に透視下で散弾の摘出術を施行したが、出血による血圧低下のため約半数程度の摘出にとどまった。全身状態の改善を待って再度散弾の摘出術を行い、透視で銃弾の位置を確認しながら鈍的に展開し摘出する作業を繰り返した。膝窩動脈近傍などでは動脈損傷の危険性を考えあえて摘出せず、結果として10数個残存した。創は閉鎖しきれず一部開放創とした。術後は腓腹部の瘢痕拘縮予防に足関節0°でギプスシャーレによる外固定を行い、大腿からの分層植皮術を追加した。最終観察時、足関節可動域制限はなく、創は治癒し、局所の感染徴候もなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008