発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004248919
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54歳男.糖尿病,C型肝炎の既往があった.今回,右前胸部を銃撃され搬送された.神経学的所見でTh4以下の知覚鈍麻と不全体麻痺を認めた.出血性ショックに対して緊急開胸止血術を施行し,受傷後2日目に再開胸を行い,胸腔鏡下に右胸腔内および縦隔内洗浄ドレナージ後,閉胸術を施行した.全身状態が改善したため,受傷後6日目に後方から背部正中軟部組織内の異物摘出術を行った.リハビリテーションを行い徐々に対麻痺は改善したが,その後Th4以下の知覚鈍麻に加えてTh4~Th7付近の疼痛を伴う知覚過敏帯が明らかとなった.受傷後1年の現在,Th4~Th7レベルに残っている疼痛を伴う知覚過敏帯は依然として残存しており,現在までに種々の治療を行ったがいずれも無効である.外来にて1ヵ月毎に胸椎硬膜外ブロックを試みているがその効果は2~3日のみである
©Nankodo Co., Ltd., 2004