発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008233810
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47歳女。左膝前部の腫脹及び疼痛を主訴とした。左膝蓋腱の周囲に腫脹があり、左膝関節の可動域は伸展0°、屈曲145°で、単純X線では膝蓋下軟部組織陰影の腫大と増強を認めた。MRIでは横断像で膝蓋腱後方に存在する広範囲に亘る病変を認めた。膝蓋下部に発生した色素性絨毛結節性滑膜炎(PVS)などの軟部腫瘍を疑い、手術的治療を施行した。膝蓋骨の下極から膝蓋腱外側に沿って膝蓋支帯を切開すると、薄い被膜に包まれた軟部腫瘍塊を認め、腫瘍は膝蓋腱の裏側を含めて周囲と癒着しており、腫瘍を一塊として摘出した。術後は腫脹防止目的に弾性包帯を巻き、術翌日から全荷重歩行を許可した。術後7週目に術前症状はほぼ消失し、膝屈曲角度は155°へと改善した。術後10ヵ月時、痛みや腫脹はなく経過良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008