臨床室
Mycobacterium szulgaiによる中指腱鞘滑膜炎の1例
松岡 奈津実
1
,
寺元 秀文
,
内田 圭治
,
金子 真也
,
越宗 幸一郎
,
三澤 治夫
1呉共済病院 整形外科
キーワード:
Kanamycin
,
Nontuberculous Mycobacteria
,
Rifampicin
,
X線診断
,
腱鞘炎
,
MRI
,
手指関節
,
手指
,
鑑別診断
,
非結核性抗酸菌症
,
Clarithromycin
,
滑膜切除
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Finger Joint
,
Fingers
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Kanamycin
,
Mycobacterium Infections, Nontuberculous
,
Nontuberculous Mycobacteria
,
Rifampin
,
Radiography
,
Tenosynovitis
,
Clarithromycin
pp.969-971
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015339902
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65歳女。右中指遠位指節間関節に魚骨が刺さり、その後同指にバラの棘が刺さり、疼痛と腫脹が生じた。近医にてステロイド軟膏・抗菌薬の投薬を受けたが改善しなかったため、受診となった。単純X線像にて異常を認めず、MRI T2強調造影像では右中指屈筋腱周囲に高信号領域を認めた。血液生化学検査で高度な炎症は認めなかった。屈筋腱の慢性感染性腱鞘炎の疑いで生検を兼ね腱鞘滑膜切除術を施行し、病理組織検査で多数の小リンパ球、形質細胞浸潤、類上皮細胞性肉芽腫を認めた。滑膜の抗酸菌分離培養検査で約6週間後にM.szulgaiが検出され確定診断となり、治療としてカナマイシン硫酸塩を半年、リファンピシンとクラリスロマイシンを1年継続した。その後、症状はすべて消失し、手指可動性は良好で、MRI T2強調造影像でも右中指屈筋腱周囲の高輝度変化は正常化した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015