発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008178568
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症例1:14歳男。右膝に異音を感じていた。野球でスライディングした際に右膝を強打し、激痛が生じ歩行不能となった。CT・MRIでは大腿骨内側顆に骨硬化を伴う骨軟骨欠損像、骨嚢胞の形成、顆間部に遊離した骨軟骨片を認めた。手術を行い、厚さ5mmの軟骨遊離片を摘出し、母床を新鮮化およびドリリングした後、遊離骨片をフィブリン糊で接着、径2.0mmのpoly-L-lactide(PLLA)ピン6本で固定した。術後1ヵ月の関節鏡所見で、固定した骨軟骨片の辺縁は線維様組織に覆われ周囲軟骨と生着していた。術後9ヵ月経過して痛みはなく、日常生活に支障はない。症例2:13歳男。サッカー中に相手とぶつかり左膝痛が出現したが、安静で痛みは寛解した。その半年後、左膝を捻って転倒した後より膝屈伸困難となった。CT・MRIでは滑車部外側顆に骨硬化と骨嚢胞を伴う骨軟骨欠損像、顆間部に遊離骨軟骨片を認めた。症例1と同様の手術を施行し、遊離骨片をPLLAピン4本で固定した。術後3ヵ月のMRIで骨軟骨片の癒合を認め、サッカー再開となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008