発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008178563
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
11歳女。右側胸部痛を主訴とした。咳による疼痛の誘発はなく、夜間痛もなかった。胸部X線で右第7肋骨に骨皮質の膨隆を認め、断層撮影では内部は石灰化を伴った骨透亮像を呈していた。CTでも同様の所見を認め、肋骨に発生した良性の骨腫瘍と考え、手術を施行した。第7肋骨を骨膜下に剥離展開したところ、骨皮質が不整に膨隆した病変を認めた。白色で充実性の腫瘍が肋骨の長軸方向に増大しており、長径3cmで骨外への伸展は認めなかった。病巣縁から1cmを含めて一塊に切除した。病理組織所見では豊富な血管形成を伴った類骨形成を認めた。類骨梁の辺縁には骨芽細胞を認め、異型性はみられず、骨芽細胞腫と診断した。術後疼痛は消失し、骨切除部位は6ヵ月経過の時点で連続性が得られており、再発もない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008