発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005064337
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48歳女.左肋骨痛を主訴とした.2001年夏頃より出現した左肋骨痛が増強し,近医にて骨腫瘍の疑いと診断された.初診時,左第9肋骨後側方の骨性腫瘤を触知したが,圧痛などの症状や側彎症の合併はなく,単純X線像で同部位に境界不明瞭な骨破壊像が描出された.CTにて骨皮質は外側で菲薄化,内側で消失し,腫瘍内部の骨化ないし石灰化や不均一に造影される辺縁を捉えた.骨シンチグラムにて同部にのみやや強い異常集積を認め,診断・治療目的で手術を行い,約3.5×1.5cm大に膨隆した病巣部とその辺縁を摘出したところ,術直後より肋骨痛は消失し,術後1年現在も再発や疼痛は認めていない.病理組織学的に腫瘍は網目状構造を呈し,腫瘍付近の骨髄腔は消失・硬化しており,細い骨梁が密に増生しているその間隙には血液の貯留した病巣がみられた.また,骨,類骨上に配列する異型性のない骨芽細胞を認め,動脈瘤様骨嚢胞腫変化を伴った骨芽細胞腫と診断した
©Nankodo Co., Ltd., 2004