発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008149280
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78歳男。両股関節疼痛と歩行困難を主訴とした。乾癬性紅皮症のため7年前よりエトレチナートを継続投与中であったが、1年前より単純X線像にて両股関節臼蓋側および右下前腸骨棘部から遠位向けて骨化像を認め、関節包を沿うように伸長して臼蓋と大転子間に架橋した。骨シンチグラムでは両股関節部に異常集積像を認め、エトレチナート投与により発生した両股関節部の増殖性骨化の診断で、両股関節部の骨化巣切除術を施行した。病理組織所見では、骨化巣辺縁部において硝子軟骨および幼若な骨新生像を認め、中央部では関節包に隣接して成熟した骨組織を認めた。術後に放射線療法と薬物療法を追加し、乾癬性紅皮症に対するエトレチナートは減量しながら継続投与中である。術後1年11ヵ月経過して二本杖歩行可能であるが、単純X線像において左股関節部に骨化巣の軽度再発を認めている。
©Nankodo Co., Ltd., 2008