発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006004695
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33歳女.右股部痛による逃避性跛行と夜間痛,更にスカルパ三角に圧痛を認め,Patrick徴候は陽性であった.可動域は疼痛により内外旋が制限されていた.日整会股関節機能判定基準(JOAスコア)は52点であった.単純X線で大腿骨頭の内下方に骨透亮像,関節裂隙の狭小化および関節面のびらんによる不整像を認めた.MRIでは大腿骨頭内下方,関節裂隙および臼蓋中心にT1強調像で低~等信号,T2強調像で高信号,脂肪抑制条件で高信号を示す辺縁明瞭な腫瘍性病変を認めた.大腿骨頸部周囲にはT1,T2強調像ともに低信号の病変を認めた.手術を施行し,病理組織学的に大腿骨頸部周囲の組織において滑膜組織の絨毛性増殖とヘモジデリン貪食細胞を認め,色素性絨毛結節性滑膜炎(PVS)と診断した.大腿骨頭内の組織は瘢痕組織の中にリンパ球,組織球の浸潤を認め,PVSに一致する所見であった.術後36ヵ月経過現在,右股関節裂隙は消失し,JOAスコアは52点であるが再発は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2005