骨折(四肢・脊椎脊髄外傷)の診断と治療(その1)
骨盤・下肢 大腿骨近位部(頸部・転子部) 大腿骨転子部骨折に対しshort femoral nailを使用した小侵襲観血的骨接合術 大転子部"bald spot"の有用性
加藤 高英
1
,
湯朝 信博
,
橋場 伸一郎
,
岩城 啓修
,
岡部 高弘
,
門磨 知恵子
,
井坪 広樹
,
友田 統明
,
宮下 恒平
1板橋中央総合病院 整形外科
キーワード:
股関節部骨折
,
髄内固定法
,
骨ネイル
,
大腿骨頸部骨折
,
X線CT
,
最小侵襲手術
Keyword:
Bone Nails
,
Fracture Fixation, Intramedullary
,
Femoral Neck Fractures
,
Hip Fractures
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
pp.93-99
発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2017077771
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2015年1月~2016年5月の大腿骨転子部骨折のうち、中野3D-CT分類でtype I 3partおよび4part骨折に分類され、かつ正田らの大転子の骨折型分類でG(S)、G(B)、G-L、4part骨折に分類される22例を対象に、short femoral nailの挿入位置としてのbald spotの有用性を術前・術後1~2週のCT像より検討した。これらの症例はbald spotからの挿入が可能であることが術前のCTから予測され、術後CTでは21例で実際にネイルがbald spotから挿入されていることが確認でき、いずれも骨折部が離開せず解剖学的な整復が維持されていた。22例中1例は整復が不十分であり、骨折部からネイルが挿入されたため骨折部の離開が生じていた。bald spotからネイルを挿入する方法は、股関節周囲筋の損傷を最小限にすることができ、CTでは術後の整復状態も維持され、小侵襲観血的骨接合術として有用であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2016