発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016271194
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は42歳男性で、14歳時にB型慢性肝炎と診断され、核酸アナログ製剤で加療中である。咳嗽が持続し、膿性痰や37℃台の発熱が続き、第38病日にCFPN-PIを5日間内服した。解熱し、膿性痰が軽減したが、咳嗽は持続した。第54病日の喀痰検査でβ-lactamase non-producing ampicillin resistant Haemophilus influenzae(BLNAR)を同定した。薬剤感受性試験でCTRX、LVFXは感受性を有していたが、CAMは感受性が低下していた。第64病日、咳嗽時に左胸痛が出現し、翌日受診した。胸部X線像で左気胸を認めた。高分解能CTでは左気胸を認め、左上葉にbullaがみられ、その破裂が気胸の原因と考えられた。左下葉にconsolidationと胸水の貯留を認めた。左気胸に対して、トロッカーアスピレーションキットを挿入し、持続吸引とした。空気漏れは速やかに消失し、胸部X線像で肺の再膨張は良好であった。咳嗽は漸次改善し、第72病日に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016