発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007184492
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1990~2005年に当科で手術的治療を施行した胸椎椎間板ヘルニア8例について、各手術アプローチ別に検討した。内訳は経胸腔法4例、経胸膜外法1例、後側方法3例であった。手術時平均年齢は各々59.8歳、53歳、48.3歳であった。平均罹病期間は各々2147.5日、418日、78.7日であった。術前の日整会頸髄症治療成績判定基準(JOAスコア)は各々5点、9点、5.2点であった。平均手術時間は各々190.5分、183分、168分であった。出血量は各々840.5ml、510ml、270mlであった。後側方法は経胸腔法と比較して、端坐位可能日数、歩行器歩行可能日数が短かった。JOAスコアの改善率は各々15.3%、100%、32.5%であった。合併症は経胸腔法の3例に認め、1例は移植骨の脱転とスクリューの弛みが生じ脊髄への圧迫を認め、2例では肋間神経痛を認めた。後側方法の1例に一時的な下肢麻痺増悪を認めた。後側方法は侵襲が少なく、椎間板ヘルニアの脱出部位にかかわらず有用であることが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2007