発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007153044
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83歳女。腰部~両大腿後面の疼痛・下肢脱力・歩行障害を主訴とした。経皮経管冠動脈形成術の既往があり抗血小板療法中であった。両下肢は弛緩性不全麻痺を呈しTh11レベル以下に感覚鈍麻を認めた。胸腰椎MRIではTh11~L1レベルでT1強調画像等信号、T2強調画像高信号の紡錘形の腫瘤が脊柱管内で脊髄を後方から圧排していた。胸腰椎部に発生した脊髄硬膜外血腫による両下肢麻痺と診断し、麻痺状態の回復傾向が認められなかったため、発症から10時間後にTh11部分椎弓切除・Th12/L1椎弓切除と血腫除去を行った。明らかな出血源や動静脈奇形は認めず、周術期を通じ明らかな出血傾向は認めなかった。術翌日から麻痺は著明な改善を認め25日目に独歩退院し、4年3ヵ月経過して麻痺の増悪は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2007