発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007117994
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44歳男性。患者はバレーボール中のジャンプ着地時に両側膝関節痛が出現し、起立困難となり、著者らの施設へ救急搬送された。入院時、直達外力を疑わせる創外傷はなく、単純X線にて両側膝蓋骨高位がみられ、MRIでは両側膝蓋骨下極がT1にて低信号、T2にて高信号を呈していた。以上より、本症例は両側膝蓋腱皮下断裂と診断され、腱実質部の断裂に対しアンカーシステムを用いた手術を行った。その結果、術後2週間はシリンダーキャスト固定を行い、その後はROM訓練を開始し、6週で軟鋼線を抜去した。術後10ヵ月で自動伸展不全は認められず、膝関節ROMは0~150°で正坐可能となった。尚、本症例の原因は、バレーボール中の膝関節軽度屈曲位で着地する運動により、膝蓋腱の微小な損傷と修復を繰り返し、これが膝蓋腱断裂に至ったものと推測された。
©Nankodo Co., Ltd., 2007