発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007095267
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人工股関節の可動域の大きさおよびカップセーフゾーンに対しネックステム角が及ぼす影響について検討し、カップセーフゾーンの観点から適切なネックステム角の大きさを考察した。Oscillation angle(θ)が135°の人工股関節で、20°のネック前捻角のとき、同じカップ位置ではネックステム角が大きくなるにつれ屈曲と伸展は小さくなり、外旋は大きくなるが、90°屈曲位内旋の変化は少なかった。ネックステム角135°に比して、ネックステム角125°ではセーフゾーンが制限され小さくなり、ネックステム角145°では更に小さくなった。ネック前捻角20°のとき、カップセーフゾーンは大きい順にネックステム角135°、130°、125°、145°となった。ネック前捻角10°ではカップセーフゾーンの大きい順にネックステム角135°、145°、125°で、ネック前捻角が30°では135°、125°、145°の順であった。設定可動域条件を屈曲130°以上、伸展40°以上、外旋40°以上、90°屈曲位内旋45°以上として作成したカップセーフゾーンの大きさは、ネックステム角130°、125°、135°の順であった。135°くらいのネックステム角が、可動域上理論的に適当な大きさであると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2006