発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007076382
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82歳女性。患者は自宅階段で転倒して腰部を強打し救急搬送された。X線ではTh12に圧迫骨折を認め、2週間のベッド上での安静後にコルセットを作成・装着して離床を開始した。しかし、肺炎発症で更に2週間の安静臥床となった。解熱後に離床を開始したところ、車椅子への移乗の際に突然の意識低下、呼吸困難が出現しリカバリー室へ搬送となった。X線で肺動脈の限局性拡張像と、更に心エコーで右室の拡大を認め、右室圧は60mmHgで肺血栓塞栓症と診断された。心エコー中に心肺停止状態となり、蘇生術後20分に心拍が再開し、意識回復と自発呼吸が再開した。発症後1時間でヘパリン投与を開始し、翌日の造影CTでは右大腿静脈に血栓を認め、原因は深部静脈血栓と考えられた。以後、抗凝固療法を行いつつ離床をすすめ、発症後83日目に杖歩行で退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2006