発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2004126379
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76歳男.心肺停止を主訴とした.医師の指示で気道確保の後,救急救命士が救急車内で心肺蘇生(CPR)を行いながら来院した.患者は,心肺停止の状態で,12誘導心電図は心静止(asystole),瞳孔は散瞳し対光反射はなかった.モニターを装着し(病院到着時間,DPR開始時間を記録)epinephrineを静脈内投与し,心室細動に対し電気的除細動を合計3回施行した.その後,心臓マッサージ,気管内挿管,輸液ルートを確保し,二次救命処置薬剤を適宜投与した.胸部X線検査と血液生化学検査を施行し,血清を保存した.30分間のCPRで蘇生せず,家族の希望で45分間のCPR継続後,死亡宣告した.死因は特定できなかった.死亡宣告後,患者の状況を警察署に連絡し検視を行った.死体検案後,死体検案書の死因の種類は12番(不詳の死)を選択し,これに「それまで健康にしていた人が妻の前で急に倒れ,心肺停止の状態で搬送され,心肺蘇生を試みるも不成功,死因は特定できなかった」と付言した
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