発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006105261
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
79歳男.運転中に追突事故を起こした.意識清明で,顔面挫傷以外に外傷はみられなかった.徒手筋力テストは,右上肢が0,左上肢が4で巧緻運動障害があった.右下肢は1,左下肢は5であった.単純X線像は著明な頸椎症性変化を示したが,頭部CT,MRIには異常所見はなかった.不完全型ではあるが,Brown-Sequard型の脊髄損傷と診断した.ステロイド大量投与量法,フィラデルフィアカラー装着を行った.受傷後1.5ヵ月で介助による端坐位が,受傷後3ヵ月で介助歩行が可能となった.米国脊髄損傷協会による機能障害評価は,筋力スコア(片側50点)は右側は受傷後10日:14→受傷後1.5ヵ月:24→受傷後3ヵ月:28点,左側は45→50→50点であった.触覚スコア(片側56点)は,右側は39→40→33点,左側は34→39→29点であった.痛覚スコア(片側56点)は,右側は45→54→51点,左側は10→10→14点であった.片麻痺を診た場合,稀ではあるが,Brown-Sequard型の脊髄損傷も考慮しておく必要があると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2006