発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006304475
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C3~C7の後方支持組織温存脊柱管拡大術を施行し1年以上経過した頸椎症性脊髄症63例(男38例・女25例,平均63.9歳)を対象に,頸椎X線側面像でC7棘突起の移動を評価し,術後の軸性疼痛の有無との関係を検討した.軸性疼痛ありは,項部痛,肩部の疼痛および筋痙縮を認めた症例とした.C7棘突起の移動ありは,切離した棘突起がもとの棘突起に接触することなく尾側に移動したものとした.軸性疼痛は14例に認め,C7棘突起の移動ありは18例(A群),なしは45例(B群)であった.両群間で年齢,性別,術前後のJOAスコア,経過観察期間に有意差はなかった.軸性疼痛の発生率はA群50%,B群11.1%で,C7棘突起の移動と軸性疼痛の間に有意な関連を認めた.切離したC7棘突起をC7拡大椎弓に正確に戻すことが棘上靱帯,右側頸部浅層伸筋群を温存することにつながり,術後の軸性疼痛の軽減に寄与する可能性が示唆された
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