発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006302235
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変形性股関節症例を対象に,術後に閉鎖式吸引ドレーン(ドレーン)を留置せず手術を行った緩解旧回転骨切術(RAO)の10例(N・R群),人工股関節全置換術(THA)の30例(N・T群)と,過去にドレーンを留置し手術を行ったRAO 10例(D・R群),THA 30例(D・T群)を無作為に抽出した.THA施行群では,術後7日目の血中ヘモグロビン値はN・T群が平均10.5±1.2g/dl,D・T群が平均9.7±1.5g/dlで,有意差が認められた.術後の創の状態は,N・T群の1例で波動を触れる皮下血腫が認められ,D・T群では1例に患肢の腫脹が進行し,血管造影で深部静脈血栓症と診断した.RAO施行群は,術後7日目の血中ヘモグロビン値は,THAと同様,ドレーン留置群で低い傾向を示したが,有意差はなかった.なお,D・R群で1例に他家血輸血を必要とした,術後の創状態は,N・R群の1例で波動を触れる皮下血腫を認め,D・R群の1例に患肢の腱膜が進行し,血管造影で深部静脈血栓症と診断し,抗凝固薬の内服で改善した
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