発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006225109
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中手指節(MP)垂直位固定7例(男1例・女6例,16~32歳)について報告した.内訳は右5指・左2指,母指2例・小指5例で,受傷機転はいずれも外傷で,全例徒手整復され,経過良好であった.以下に代表例2例を提示した.症例1(21歳男)は右母指橈背側よりパンチを受けて受傷し,右母指MP関節が90°屈曲位で固定され,自動伸展不能となった.X線で右母指基節骨が中手骨頭の関節面を越えて掌側に亜脱臼していた.徒手整復は容易で,MP関節伸展位で2週間外固定した後,自動で関節ROM訓練を行わせた.受傷後1ヵ月で若干の伸展制限を認めたが,疼痛などはなく経過良好である.症例2(16歳女)はベッドから転落して小指をつき,右小指MP関節が90°屈曲位で固定され,自動伸展不能となった.X線で右小指基節骨が中手骨に対してMP関節で90°屈曲位に亜脱臼していた.徒手整復は容易で,症例1と同様の処置を行い,受傷後2ヵ月で若干の伸展制限を認めたが経過は良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2006