発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006197907
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30歳女.6ヵ月前にバイクで転倒し,右橈骨遠位端骨折,右環指指尖部切断,右第5中手骨骨折,左有鉤骨骨折との診断で,橈骨骨折にはギプス固定,右環指には断端形成術が行われ,他の骨折は経過観察となった.各骨折は骨癒合が得られ,環指も創治癒を認めたが,爪が徐々に断端をくるむように変形してきた.右環指の遠位指線から尖端までの距離(FL)は12mmで,左環指の22mmよりも短縮していた.また,単純X線で末節骨長は左環指17mmであったが,右環指9mmであった.まず,爪変形に対する手術として,指尖部に魚口状切開をおき,爪床を挙上し,爪床と末節骨の間にKirschner鋼線を穿刺して矯正位を保持した.挙上による皮膚欠損は手掌皮弁で被覆した.1ヵ月後にIlizarov mini創外固定器を装着し,末節骨の皮質骨の骨切りを行った.1日0.25~0.5mmの延長を行い,67日目に終了し,115日目に創外固定器を抜去した.Healing indexは144であった.術後11ヵ月経過し,末節骨は8mmの延長が得られ,右環指FLは17mmとなり,整容・機能とも満足が得られた
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