創外固定の原理と応用 基礎から新しい臨床展開まで
軟部組織の延長の可能性(神経、靱帯、腱) Ilizarov法による軟部組織延長を用いた難治性足部変形の矯正術
中瀬 尚長
1
,
安井 夏生
,
北野 元裕
,
廣島 和夫
,
河井 秀夫
,
上田 孝文
,
樋口 周久
,
吉川 秀樹
1星ヶ丘厚生年金病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
足の形態異常
,
内反足
,
Ilizarov法
,
治療成績
,
軟部組織
,
腱延長術
Keyword:
Clubfoot
,
Foot Deformities
,
Radiography
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Ilizarov Technique
,
Tenotomy
pp.226-233
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009181729
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難治性足部変形に対しIlizarov創外固定器を用いて矯正を行った28例33足の成績を報告した。疾患は外傷後変形7足(A群)、特発性内反足遺残変形16足(B群)、二次性内反足6足(C群)、その他4足であった。創外固定器装着期間は28~202日であった。経過観察期間0.5~10.9年で、合併症は不可逆性として距骨下関節の癒合を5足、ピン刺入部での反応性骨棘形成を1足、可逆性としてピン刺入部感染を7足、距骨の前方亜脱臼を4足に認めた。脛骨遠位端の一時的な骨端線離開を1例に認めたが、その後の成長障害は認めていない。形態学的評価では、足関節、後足部、前足部のいずれも術後有意な改善を認めた。関節可動域(ROM)は、足関節は術後有意に改善したが、前足部は有意な改善を認めなかった。疾患別にみると、形態学的にはいずれも術後有意な改善を認め、A群およびB群はC群に比較して有意に成績良好であった。ROM評価では、A群およびB群は術後有意に改善したが、C群は有意な改善を認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009