発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008060712
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12歳女児。左手関節部の変形・疼痛を主訴とした。9歳時に左開放性橈骨遠位骨端線損傷を受傷し、その後橈骨遠位骨端線早期閉鎖となり尺骨との骨長差が出現した。初診時手関節X線像では20mmの尺骨プラス変異で橈骨関節面の尺側傾斜角は3°であり、矯正のため15°のopen wedge骨切り術を行い、創外固定器にピンを装着した。仮骨延長開始し7週3日で1mm尺骨マイナス変異にて延長を終了したが、経過中の仮骨形成はわずかであった。延長終了時、橈骨の延長部で掌側へ15°の傾きが生じ前腕回旋障害が生じたが、創外固定器を変更し側面のangulationを少し背屈させることにより前腕回旋制限は劇的に改善した。延長終了後2ヵ月から超音波骨折治療器による治療を開始し、延長終了後4ヵ月で創外固定を除去した。術後1年現在、橈骨関節面尺側傾斜角は良好に矯正され、CTで遠位橈尺関節の適合性も良好であり疼痛も消失していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007