発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004020906
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10歳女.腰痛を主訴とした.腸骨後方に発生した骨肉腫に対し,広範切除を目指して仙骨孔と仙骨神経をガイドとする仙骨骨切りで患肢温存拡大骨盤半截術を行った.単純X線,CTおよびMRI,切開生検を施行し,軟骨形成型骨肉腫と診断した.骨シンチグラム,胸部CTを施行し,ほかに明らかな転移所見のないことを確認した.NECO95Jプロトコールに従いメトトレキサート(MTX),シスプラチン-塩酸ドキソルビシン投与後,MTXによる肝障害が高度のためMTXをイホスファミドに変更して術前化学療法を約3ヵ月間行い,CT,MRI所見で腫瘍縮小が得られ手術となった.切除標本で組織学的治療効果はgrade2であったため,手術後もイホスファミド,シスプラチン-塩酸ドキソルビシンによる化学療法を約7ヵ月間行い,局所再発,遠隔転移なく,Lof-strandクラッチ歩行で初診後約11ヵ月で退院となった.現在,再発や転移はみられない
©Nankodo Co., Ltd., 2003