発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006197895
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65歳以上の大腿骨頸部骨折患者を在宅54例(男7例・女47例,平均84.6歳:A群)と施設入所・病院入院68例(男9例・女59例,平均83歳:B群)に分け,発生原因を比較した.骨折前の移動能力は,A群では自立が50%であったが,B群は杖・歩行器を使用しての介助歩行が54%,寝たきりも13%あった.骨折発生の時間帯は,A群では午前7時~午後7時の日中が多く,B群は夜間,朝方で日中とほぼ同等に発生していた.A群の骨折場所は67%が屋内であった.国際疾病分類(CD-10)による分類は,A群ではW01(スリップ,つまづきおよびよろめきによる同一平面状での転倒)が54%,W18(同一平面上でのその他の転倒)が15%で,トイレ,浴室での転倒が多かった.B群はW06(ベッドからの転倒)が31%と最も多かった.活動コードでは,両群とも4(休憩,睡眠,食事または日常のその他の生活活動中)の転倒が最も多かった.Mini-mental state examinationで23点以下の「認知症あり」はA群57%,B群88%であった
©Nankodo Co., Ltd., 2006