発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010089975
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症例1:44歳男。中学時代に右小指を受傷しギプス固定を受けたが、その後も捻挫を繰り返し、右小指の変形が進行した。単純X線で手指近位指節間(PIP)関節の尺側および背側への亜脱臼を認め、右小指PIP関節掌側板損傷による亜脱臼と診断して手術を施行した。手術は浅指屈筋腱の橈側のhalf slipを切離し、Tendon Junction Screwを用いて基節骨掌側へ固定した。腱を固定後、その上を掌側板で覆い縫合した。症例2:36歳女。右小指痛を主訴とした。約15年前に右小指の遠位指節間(DIP)関節を脱臼し整復されたが、その後も10回以上脱臼を繰り返していた。単純X線で右小指DIP関節は背側脱臼していたが、明らかな骨傷はなく、徒手牽引で容易に整復された。掌側板損傷による背側不安定性および反復性脱臼と診断して手術を施行し、Kirschner銅線でDIP関節を仮固定した後に掌側板を縫着し、更に深指屈筋腱を半切・切り離して掌側板の上へ縫いつけた。2例とも術後6ヵ月の現在、再脱臼することなく機能的に良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009