発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002038378
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52歳女.約1年前より右環指DIP関節橈側に腫脹を自覚していたが放置していたところ,徐々に増大し疼痛を伴うようになった.局所安静と消炎鎮痛薬投与で経過観察したが,疼痛・腫脹が軽快しないため手術目的で入院となった.入院時,右環指DIP関節橈側に腫脹,発赤,著明な疼痛と可動制限があり,X線像で同部位に一致して米粒大の境界明瞭な石灰沈着像を認めた.術中所見では病巣は皮下に認め,1層の薄い被膜で覆われた黄白色の練歯磨状の物質で充満しており,周囲組織との癒着はなく一塊として摘出した.病理組織学的所見では線維の走行に沿って離開した線維間に顆粒状の集塊として層状の結晶を認め,その周囲線維内にも粒子状結晶が分散しており,結晶周囲に異物巨細胞を含む炎症細胞の浸潤を認めた.術後,疼痛は消失し,再発は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2001