臨床室
自家骨軟骨移植術でスポーツ復帰をはたしたシニアスポーツ愛好家の1例
薮本 浩光
1
,
中川 泰彰
,
山田 茂
,
向井 章悟
,
向田 征司
,
二宮 周三
1国立病院機構京都医療センター 整形外科
キーワード:
X線診断
,
自家移植
,
関節可動域
,
関節鏡法
,
MRI
,
軟骨
,
軟骨疾患
,
関節変形-後天性
,
変形性膝関節症
,
運動選手
,
膝蓋大腿関節
,
外反膝
,
骨軟骨移植
Keyword:
Arthroscopy
,
Cartilage
,
Cartilage Diseases
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Transplantation, Autologous
,
Range of Motion, Articular
,
Joint Deformities, Acquired
,
Osteoarthritis, Knee
,
Patellofemoral Joint
,
Genu Valgum
,
Athletes
pp.441-444
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015265142
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74歳女性。既往として2年半前に右膝内側半月板中節から後節の水平断裂に対し部分切除術を施行、膝蓋大腿関節軟骨の状態は膝蓋骨がInternational Cartilage Rerearch Society(ICRS)分類 grade I、膝蓋骨溝中央部が5×20mmのgrade IIであった。今回、登山をしていた時、明らかな外傷ないのに徐々に右膝痛が出現し診断的関節鏡が施行された。その結果、膝蓋骨内側に10×20mmのICRS分類 grade IVの軟骨損傷と膝蓋骨溝内側に7×7mmのgrade IVの損傷が認められた。また、右膝の圧痛部位は膝蓋大腿関節内側にあり、軟骨損傷部位と一致していた。以上、これらの所見を踏まえて、自家骨軟骨移植術を施行、手術は右大腿骨外顆非荷重部と内顆非荷重部から自家骨軟骨柱を採取して膝蓋骨溝内側に直径8mmの骨軟骨柱1本、膝蓋骨内側に直径8mmの骨軟骨柱2本を移植した。その結果、術後5ヵ月で患者は登山に復帰することができた。尚、術後1年目にドナー部やレシピエント部の状態確認のため施行した再鏡視所見では、移植骨軟骨部は生着し、平滑な関節面も形成されており、ICRS分類の再鏡視点数は10/12点、疼痛はVASで0/10点であった。
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