発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005190837
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45歳女.左臀部後面に10×12cm大,弾性軟の腫瘤を認めた.画像所見より左骨盤部の骨・軟部腫瘍,膿瘍を疑い,切開生検術を施行したところ,後腹膜腔の嚢胞から黄白色調の膿瘍が流失した.膿瘍の一般細菌,嫌気性菌,抗酸菌培養,結核菌PCRは全て陰性であった.嚢胞被膜の病理組織検査で厚いクチクラ巣が認められ,エキノコックス症が強く疑われた.血清をウエスタンブロット法で解析した結果,エキノコックス反応陽性であった.腸骨稜に沿った皮切から腸腰筋内の病巣部を切開・排膿し,アルベンダゾール内服を開始した.なお,症例は酪農に従事しており,幼少期より衛生上好ましくない井戸水を飲水していた
©Nankodo Co., Ltd., 2005