発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005154773
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6歳男児.1ヵ月ほど前から誘因なく左膝痛が出現,さらに跛行を認めたため来院し,初診時左膝から下腿にかけて荷重時の疼痛を認めた.単純X線像では脛骨近位後内側に限局する骨膜反応を認め,脛骨近位後内側から前外側に至る淡い骨硬化像を認めたため,骨腫瘍の可能性も考え精査入院となった.入院時,MRI所見で脛骨近位部にT2強調画像で線状の低信号域とその周囲に帯状の高信号域を認めた.疲労骨折に特徴的な所見により疾走性脛骨疲労骨折と診断,スポーツを禁止して経過観察とした.初診から2週間後脛骨の圧痛・疼痛や跛行は消失し,1ヵ月後の単純X線像では後内側の骨皮質の骨折線は明瞭化し,骨皮質肥厚に伴う良好な化骨形成を認め,6ヵ月後には骨癒合像を認めた.初診6ヵ月後のMRI所見では線状の低信号域は消失し,痛みの再発も認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2005