経験と考察
骨腫瘍を疑われた疲労骨折例の検討
岩本 美帆
1
,
坂本 昭夫
1国立病院機構小倉医療センター 整形外科
キーワード:
化骨-異所性
,
脛骨骨折
,
骨腫瘍
,
骨髄
,
骨折-疲労
,
MRI
,
鑑別診断
,
大腿骨骨折
,
骨膜反応
Keyword:
Bone Marrow
,
Bone Neoplasms
,
Diagnosis, Differential
,
Femoral Fractures
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Ossification, Heterotopic
,
Tibial Fractures
,
Fractures, Stress
pp.11-14
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017306969
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骨腫瘍と疑われ、疲労骨折と診断された9症例(男性5例、女性4例、平均年齢11.1歳)を対象に、臨床所見と画像所見を検討した。その結果、典型例と比較して、発症部位が大腿骨で多いこと、発症部位別の平均年齢が低いこと、スポーツ歴がないことなど非典型例であった。単純X線像では9例中7例に骨膜反応が認められたが、全例ではなかった。疲労骨折の単純X線像での特徴であるgray cortex signは3例に認められたが、撮影条件によっても判断に難しく、客観的な診断根拠としては不十分であった。MRIにおける信号変化は、骨髄内はT2強調画像で骨髄内脂肪と同程度の信号であり、所見としては乏しかった、骨膜反応(仮骨部)は骨新生を反映し、T1強調画像では低信号を呈していたが、T2強調画像では軽度の高信号を呈していた。信号パターンのみで腫瘍と骨膜反応との鑑別は難しいが、パターンは疲労骨折を示唆する所見として有用であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2017