発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005036512
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75歳女.腹部膨満感が出現し,超音波で腹部右側に境界明瞭でほぼ均一な高エコーの腫瘤を認め,内部には一部低エコーの隔壁を認めた.CTでは右後腹膜腔に27×14×19cmの内部不均一なsoft tissue componentを認めた.MRIのT1強調像では等信号を呈し,同部分を中心に造影効果を認めた.右腎動脈造影で腎動脈起始部より頭側に分岐する主栄養血管が存在し,末梢に強い拡張蛇行と腫瘍濃染像を認めた.また右第1~4腰動脈からも濃染像を認め,腎周囲組織原発が疑われた.脂肪腫または脂肪肉腫と診断し,手術を施行した.右腎,右副腎は腫瘍からの剥離が困難で,一塊に摘出した.また回盲部の腸間膜への浸潤を認め,合併切除した.腫瘍は30×20×10cm,2700gであった.HE染色で脂肪滴に圧排されたscallopingを認め,S-100免疫染色強陽性であった.高分化型の組織内には一部紡錘形異型細胞と染色されない部分が混在していた.術後経過良好で2年後も再発はない
©Nankodo Co., Ltd., 2004