発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140044
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14歳男.右鎖骨近位部痛を主訴とした.柔道の競技中,両肩内転位で右肩から落下して受傷し,主訴による右上肢運動制限と胸鎖関節部の腫脹,圧痛および陥凹を認めたが,神経血管障害や呼吸困難はみられなかった.胸鎖関節の単純X線像,CTにて鎖骨近位端の胸骨後方への転位を認め,胸鎖関節後方脱臼として徒手整復を試みるも不能であったため,観血的整復を施行したところ,Salter-Harris分類typeIの鎖骨近位骨端離開で近位骨幹端の後方転位と判明した.右上肢を牽引し,エレバトリウムにて整復した後は十分に安定し,4週間の鎖骨バンドによる外固定で良好な結果が得られた.単純X線像では転位方向の把握や骨折と脱臼の鑑別が,CTでは転位の程度や深部臓器との関係把握が可能であり,また,MRIはX線像やCTでは困難な鎖骨近位骨端離開と胸鎖関節脱臼の鑑別に有用と思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2005