特集 隆起する皮膚疾患
臨床例
背部弾性線維腫
大下 彰史
1
,
中井 章淳
,
服部 佐代子
,
尾藤 三佳
,
坂元 花景
,
小西 啓介
1京都府立医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
脂肪腫
,
鑑別診断
,
背部
,
拡散MRI
,
皮膚外科
,
弾性線維腫
Keyword:
Back
,
Diagnosis, Differential
,
Lipoma
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.507-510
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014259166
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<症例のポイント>62歳、女性の背部弾性線維腫を報告した。肩甲骨下部に位置する腫瘍をみたら、背部弾性線維腫を鑑別の1つに考える。弾性線維腫のMRI所見には典型像があり、画像診断が可能である。しかし、放射線科医の間ではありふれた良性腫瘍と認識され、読影所見に記載されないことがあり注意を要する。読影依頼時に「皮下腫瘍精査目的」ではなく「軟部腫瘍精査目的」と依頼すれば読影所見に記載される。病因は、肩甲骨と胸郭との機械的摩擦による、結合組織の反応性増殖や弾力線維の変性と考えられており、肉体労働者などに好発する。背部違和感などを主訴として精査され、弾性線維腫の診断が得られれば保存的に経過観察は可能であるが、外科的手術によって症状が軽快する例もみられる。
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