超音波診断・治療の最前線 さまざまな病態に対する超音波診断
軟部腫瘍
大戎 直人
1
1大阪市立大学 大学院整形外科
キーワード:
脂肪腫
,
脂肪肉腫
,
神経鞘腫
,
超音波診断
,
軟部組織腫瘍
,
平滑筋肉腫
,
カラーDoppler超音波診断
,
Doppler超音波診断
,
孤立性線維性腫瘍
,
組織弾性イメージング
,
Perflubutane
Keyword:
Leiomyosarcoma
,
Lipoma
,
Liposarcoma
,
Neurilemmoma
,
Soft Tissue Neoplasms
,
Ultrasonography
,
Ultrasonography, Doppler
,
Ultrasonography, Doppler, Color
,
Solitary Fibrous Tumors
,
Elasticity Imaging Techniques
,
Perfluorobutane
pp.833-839
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015339876
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軟部腫瘍に対する超音波検査の有用性について概説した。軟部腫瘤180例(良性118例、悪性62例)の超音波画像を比較した結果、Bモード法による観察では腫瘍径、深達度、辺縁性状、内部性状において良・悪性間に有意差を認めたが、形状、エコー輝度に有意差はなかった。カラードプラ法による腫瘍内血流の評価においてドプラ法のみでは感度が低く、良・悪性鑑別に有用でないと考えられたが、造影剤の使用によって感度と正確度が上昇し、高分化型脂肪肉腫などの低悪性度の腫瘍でも悪性腫瘍を疑うことができた。また、パワードプラ法による腫瘍内血流速度や血管抵抗に有意差は認めず、エラストグラフィー法による弾性比の比較では悪性腫瘍で有意に硬度が高かった。外来診療で容易に行える超音波検査は、軟部腫瘤の血流評価や硬度評価を行うことで存在診断だけでなく、良・悪性鑑別にも有用と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2015