発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005067161
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10歳女児.ゲームセンターのカーゲームでアクセルを踏み続けた後に右股関節痛が出現,疼痛が軽減しないため発症から2週間後に来院した.初診時,跛行が著明で右股関節は外転移をとっておりScarpa三角に圧痛を認めたが,両股関節単純X線正面像では関節裂隙に左右差がなく骨頭の変化も認めなかった.MRI上でもT2強調像で高輝度な関節液貯留を認めるのみで大腿骨頭や骨幹部に異常を認めなかったため,右足免荷にて松葉杖歩行とし,非ステロイド性抗炎症薬を投与した.股関節穿刺吸引による関節液の細菌培養は陰性で,発症後1ヵ月で右股関節痛は消失したが,単純X線像では右大腿骨頭から骨幹部にかけて骨萎縮が出現した.発症後2ヵ月で骨萎縮が著明となり,臨床症状と画像所見から特発性一過性大腿骨頭骨萎縮症と診断し,その後両下肢2kgで介達牽引を施行した.発症後3ヵ月で外転拘縮が軽減,X線像でも骨萎縮像の改善が認められたため歩行を開始し,発症後6ヵ月で右股関節の可動域は正常化した
©Nankodo Co., Ltd., 2004