発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005064342
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15歳女.右示指の腫脹,疼痛および爪変化を主訴とした.3年前頃から右示指指尖部の腫脹の増大と日中・夜間の疼痛があった.右示指はばち指状を呈し,単純X線像では右示指末節骨背側の骨溶解像,骨皮質の肥厚および周囲軟部陰影の増強が描出された.骨内部にはMRIのT1強調像で低~中信号,T2強調像で斑状の高信号,ガドリニウム造影にて辺縁部が強く造影される病変を認め,骨周囲の軟部組織からは炎症様所見を得た.また,骨シンチグラムにて病巣部に一致した強い集積を認め,慢性骨髄炎の疑いで,病巣掻爬術を施行した.病理組織所見では病巣の中心部に不規則な類骨形成,骨芽細胞様細胞の増殖と豊富な毛細血管を,周辺部に非腫瘍性の反応性骨形成,炎症細胞の浸潤および線維化を認め,類骨骨腫と診断した.術後,腫脹や疼痛は速やかに消失し,術後18ヵ月時,腫瘍の再発はなく,末節骨の形状は修復されていた
©Nankodo Co., Ltd., 2004