発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004020910
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初回の病理診断で動脈瘤様骨嚢腫(ABC)と診断され,最終的には骨盤半截術を要した大腿骨近位部骨肉腫の1例(75歳男)を経験した.本例は初回の病巣掻爬後1年7ヵ月の時点と,2回目の病巣掻爬後1年の時点で腫瘍の再発が認められた.病巣は完治しておらず,病理組織学的に検出できなかった病巣が残存していた可能性が示唆された.病巣掻爬と内固定術後に病巣の急速な増大による股関節周囲,骨盤への腫瘍の浸潤と坐骨神経,大腿動静脈への進展があったことから,患肢温存を断念し,骨盤半截術を選択した.本例は,右大腿骨近位部骨幹端のABCの掻爬後3年以内に骨肉腫へ進展した.高齢者に発生したABCは骨肉腫等の悪性病変への進展の可能性を常に念頭において対処するべきであると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2003