発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009099213
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整形外科手術の周術期に下大静脈(IVC)フィルターを留置した16例(男4例、女12例、平均年齢67.2歳)を対象として、標記事項を検討した。留置時期は術前4例(平均8.0日前)、術後12例(平均11.1日後)であった。一時留置となった10例の平均留置期間は16.4日間で、その他の6例では永久留置となった。一時留置例のうち3例でIVCフィルター抜去時に少量の捕捉血栓を認めた。5例は添付文書上の留置期間を超えたためにIVCフィルターの入れ替えや移動を行った。術後留置時の平均血清Dダイマー値は17.1μg/mlであったが、抜去時は4.0μg/mlに低下した。合併症として1例でIVCフィルター移動の手技中に動脈穿刺を認めた。IVCフィルターは周術期における致死的肺血栓塞栓症の予防に有効であったが、重篤な合併症を1例で認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009