発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005037778
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
77歳女.左肺癌の診断で左肺上葉切除術を施行された.明らかなリンパ節転移はなく,外来通院で経過観察中であった.特に誘因なく右大腿後面の運動時痛を自覚するようになり,同部に腫瘤を感じるようになった.腰椎麻酔下に切開生検を行った.腫瘤は大腿二頭筋内にあって弾性硬の硬さを有し,黄白色調を呈していた.中心部には黄色の漿液性の液体が貯留していた.病理診断は低分化型扁平上皮癌であった.腰椎麻酔下に腫瘍切除術を行った.術後,内科へ転科ののち,術後化学療法としてカルボプラチン,硫酸ビンデシンの静脈内投与を行った.新たに大腸癌が発見され根治手術を受けたが,肺癌原発巣手術後8年9ヵ月,大腿部骨格筋転移巣手術後8年1ヵ月が経過した時点で,転移巣の出現なく生存中である
©Nankodo Co., Ltd., 2004