発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004048446
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52歳男.33年前に右大腿骨頭骨巨細胞腫の診断で掻爬・骨移植術を,その2年後に骨巨細胞腫再発の診断で人工骨頭置換術を施行されており,今回,脚長差を自覚し,単純X線像でcentral migrationを指摘され独歩・一本杖で入院となった.入院時,杖なし歩行は10分程度に制限されており,右股関節可動域は軽度制限され脚長差は棘果間距離で3cm,外転筋力低下は軽度で,日整会股関節機能判定基準は右77点・左85点であった.単純X線像では人工骨頭は上方に2.5cm,内方の0.5cmのmigrationが認められ,大腿骨近位部は欠損しておりセメントが充填されていた.手術ではセメントレス人工関節にて再置換術を施行,手術時間は5時間41分,術中出血量2000mlに対して自己血8単位を術中に返血した.第2病日にHb 6.5g/dl,Ht値19.5%と最低値を記録し,第4病日に突然左下半盲を訴え,虚血性視神経症と診断され,高圧酸素療法を施行したが,術後4ヵ月を経過した現在,視野は改善していない
©Nankodo Co., Ltd., 2003