発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001196723
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42歳男.脚立から転落し,右肩前面を打った.右胸鎖関節部の疼痛が続くため,受傷7日目に受診した.画像所見では遠位骨片が前方に転位しており,鎖骨近位端骨折と診断した.鎖骨バンドを装着し,経過観察とした.しかし,疼痛は増悪し,骨片の前方突出は初診時より著明となり,仰臥位で骨片はさらに前方に突出した.受傷後3週目に手術した.近位骨片はほとんど可動性がなかった.右肩を屈曲・内転し,遠位骨片を用手的に後方へ押し込み,骨片間に生じた間隙に海綿骨を移植して,Kirschner鋼線で固定した.術後10週で骨癒合が得られた.術後1年3ヵ月の最終観察時には胸鎖関節部の突出はみられず,肩の可動域は正常で,圧痛,運動時痛もなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2001