発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004020900
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椎体を破壊することなく肺癌が椎間孔を通って脊椎管内に直接浸潤し,急速に麻痺が進行した1例(40歳男)を経験した.誘因なく両下肢の痺れが出現・進行し,歩行困難となった.入院時所見,胸部単純X線像,CT,MRI,ガリウムシンチグラム,血液生化学検査より,Th4~Th6レベルの脊柱管内に直接浸潤した硬膜外腫瘍による脊髄症状と診断した.急速に麻痺が進行したため,病理組織診断と神経除圧の目的で手術を施行した.病理組織学的には肺大細胞癌であった.術後,知覚鈍麻および筋力は一時的に改善したが,再度筋力低下が出現した.原発巣に対する放射線療法と化学療法を施行したが,十分な効果は得られなかった.その後,右上肢にも筋力低下が出現し,MRIで腫瘍の増大が認められ,呼吸不全により死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2003