発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006105262
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ムチランス型関節リウマチ(RA)の44歳女.両下肢のしびれ感が出現し,続いて自覚していた右股関節痛が増悪してきたため,右人工股関節全置換術目的で来院した.C反応性タンパク(CRP)は1.6mg/dlであった.MRI矢状断でTh3/Th4高位に,脊柱管内で背側から胸髄を圧迫する腫瘤像を認めた.水平断像においても胸髄を背側から圧迫する腫瘤を認めた.椎体生検による培養結果は陰性であった.その後,麻痺は増悪した.化膿性脊髄炎による胸髄症状の悪化と診断し,Th3~Th5片側進入両側除圧術を行った.椎間関節から発生したと考えられる肉芽様組織は硬膜背側から硬膜を圧迫し,肉芽様組織を摘出した.摘出組織には中心性壊死の周りにpalisadingやリンパ球の浸潤がみられ,リウマチ結節像を呈した.術後翌日より知覚の改善を認め,術後1週間でCRPも陰性化した.RA患者に脊髄症が発症した場合,鑑別診断にリウマチ結節による脊髄症を加える必要があると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2006