発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011226899
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症例は44歳女性で、右殿部痛、右下肢のしびれが出現し、椎間板ヘルニアが疑われ保存的治療を受けたが、軽快せず、骨盤MRIで大坐骨切痕部の坐骨神経に腫瘍様陰影を認めた。圧痛を右大坐骨切痕部に認め、仰臥位で増悪するしびれを右殿部より大腿後面及び下腿外側に認め仰臥位での就寝が困難であった。右下肢筋力低下及び深部腱反射の異常は認めなかった。骨盤単純X線では明らかな異常所見はなく、骨盤CTでは右大坐骨切痕後方の坐骨神経部に周囲との境界が明瞭な嚢胞性陰影を認めた。骨盤MRIで病巣はT1強調像で等信号、T2強調像で高信号を示し、ガドリニウム造影像で増強効果を認めなかった。股関節に向かう病巣突出像が臼蓋部の水平断像、冠状断像、矢状断像で確認された。臨床所見より坐骨神経発生のガングリオンと診断した。術後右殿部痛は消失し、右下肢のしびれは改善した。術後6ヵ月、再発を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011