発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003252314
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24歳女.右膝痛を主訴とした.車椅子での移動介助中,全体体重が右膝にかかり,主訴が出現したが,1週間で消失したため,放置していた.その後,誘因なく右膝関節痛が再発し,膝関節の屈曲と伸展障害をきたした.近医で投薬を受け,屈曲・伸展障害は消失したが,軽快と増悪を繰返していた.病歴から半月損傷を疑い,MRI撮影を施行した.その結果,膝窩間部に発生した液体貯留を伴う軟部腫瘍を疑い,鏡視下摘出術を行った.切除した皮膜の病理組織所見では,明瞭なliningを持たないcystic lesionで,ガングリオンと診断された.術翌日から荷重歩行,ROM訓練を開始し,1週間で退院した.術後1年を経過し,全く愁訴はない.膝伸展制限をきたし,膝外側半月後角から発生した,極めて稀な半月ガングリオンで,外側半月後角から発生したガングリオンの報告は,渉猟した限りでは3例であった
©Nankodo Co., Ltd., 2003